治療は特別なことをした訳ではなく、通常の首筋のこりをほぐす鍼灸治療を続けました。
得気治療器による電気鍼や灸頭鍼の併用です。毎回、治療後すぐは耳の下のあたりが
ほぐれるのですが、すぐにまた硬くなるということを随分繰り返しました。

そのうちある時、患者さんが面白い表現をされました。「耳を塞いでいる壁が取り
払われて、ボワーと風が吹く感じがする。」と、言われたのです。
それを境に少しずつ快方に向かい、初診から4カ月半頃にはほとんど完治しました。
その間、14回通院されました。最初1カ月は週1回、そのうち10日に1回、最後の
2カ月は2週間に1回というペースでした。

突発性難聴の完治は難しいです。この方の場合は、耳がふさがれるという症状
でしたが、耳鳴りによる難聴、特にキーンという高音域の耳鳴りの場合は特には
難しいです。

一般に言われていることは、突発性難聴になったらすぐに耳鼻科で点滴をしてもらうこと。
早ければ早いほど良いということです。

少し症状が落ち着いたら、気長な鍼灸治療をお勧めします。肩こりや腰痛と違い、
すぐに好転してきません。諦めずに鍼灸治療を続けましょう。

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